雑なクラシックの部屋

クラシックのCDに埋もれて死ねれば本望。

モーツァルト:交響曲第40番

モーツァルトという作曲家が人類史上にいたことを知らない人は、ある程度知識のある人の中にはたぶんいないと思う。
中学の音楽の授業をまじめに聴いていれば必ず出てくるはずだから。


それを前提として、人生送る上で絶対に聴いて欲しいモーツァルトの曲が4曲ある。
1. 「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」の第1楽章 
2. 交響曲第40番の第1楽章
3. トルコ行進曲(ピアノ・ソナタ第11番の第3楽章)
4. ピアノ協奏曲第21番の第2楽章


メロディ聴けばわかる人がほとんどだと思うので、
CDやネットなど、どんな演奏でもいいので、上記の曲名で探して聴いてみて欲しい。


どれも甘いメロディなので、クラシックが苦手な方にもいけると思う。
(お酒を勧めるときの文句みたいですね)


モーツァルトは35年の短い生涯の中で、番号付きの交響曲を41曲書いている。
(番号のついていない交響曲も何曲かある)
そのうち40番目の曲。


ちなみに、僕は、実家にあった、カラヤン指揮、ウィーン・フィルの演奏を聴いて育った。
だから、テンポも、繰り返しも、オーケストラの響きも、基準にあるのは、カラヤン指揮、ウィーン・フィルの演奏である。


速いテンポで急くように曲が流れていく。
心に吹く嵐とでもいうのだろうか。
ウィーン・フィルのこくのある響きが曲によく合っている。
60年前の録音だが、普通に聴くなら(オーディオマニアでなければ)充分美しいと思える音質だ。
今でも、この演奏を自信を持ってお勧めできる。

モーツァルト:交響曲第40番&第41番「ジュピター」
モーツァルト:交響曲第40番&第41番「ジュピター」
ユニバーサル ミュージック
ミュージック

同じ時期に録音されたワルター指揮、コロンビア交響楽団の演奏は、もう少しゆっくりとしていて、メロディの鳴らし方がもう少し甘くて、どこか哀しい。
第1楽章の再現部に突如として現れる全休止、これはワルターだけの表現で、曲の中にある心の焦りの表現を強めている。


モーツァルト:交響曲第40番&第41番「ジュピター」他
モーツァルト:交響曲第40番&第41番「ジュピター」他
SMJ
ミュージック


ワルターの表現を少しかしこまらせると、クーベリックの表現になる。
あっさりしすぎず、線が細くなることもなく、程良い味わいだ。
カラヤンの演奏は速すぎる、と思うときは、これを聴いている。


モーツァルト:交響曲第40番&第41番
モーツァルト:交響曲第40番&第41番
ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル
ミュージック



これよりストレートが良い、と思うならば、現代はやりの古楽器の演奏から選ぶと良い。
ただ、僕の理解が不足する分野なので、挙げないでおく。


最後に、伝説の名演奏。
先ほどのワルターが、ウィーン・フィルを振ったときの演奏だ。
モノラルだが、この曲が好きなら是非聴いて欲しい。
第1楽章のメロディにはポルタメントがつき、ややクセのある出だしだが、ウィーン・フィルの響きが美しく、テンポや表現、すべてがこの曲にふさわしい。


モーツァルト:交響曲第40番&第25番(日本独自企画盤)
モーツァルト:交響曲第40番&第25番(日本独自企画盤)
SMJ
ミュージック